「Gitって、専門用語が多くて理解するのが大変……」
でも、どうせなら暗記ではなくしっかりと理解した上でGitを使いこなせるようになりたいですよね!
このサイトでは、Gitに関する用語を一つずつじっくりと解説しています。
今回はブランチの解説です。



Gitのブランチ(branch)とは
ブランチ(branch)とは英語で枝のこと。
Gitではブランチを使って、その名の通り枝分かれしてソースを管理することができるのです。

ブランチを使うことで、目的によって履歴を分けることができます。
そうすることで、今動いているコードに対する影響を最小限に抑えられます。
Gitのブランチと合わせて覚えておきたい用語
ブランチを理解するために、合わせて覚えておきたい用語が2つあります。
- チェックアウト(checkout)
- マージ(merge)
ひとつひとつ確認していきましょう。
(1) チェックアウト(checkout)
チェックアウトとは、ブランチを切り替えることです。
具体的には、以下のコマンドを使用します。
# ブランチを切り替えるコマンド
git checkout ブランチ名
ブランチを切り替えると、そのブランチのコードに移動することができます。

(2) マージ(merge)
マージとは、ブランチを統合することです。
マージをすると、2つのブランチを指定して1つにすることができます。
マージを使うことで、コードを統合した履歴を作成することができます。
具体的には、以下のコマンドを使用します。
# マージするコマンド
git merge マージするブランチ名

Gitのブランチを操作してみよう!(コマンド編)
では、実際にGitを使ってブランチを操作してみましょう。
まずは、コマンドでの操作方法をお伝えします。
以下の4ステップで操作を行います。
- ブランチを作成する
- ブランチをチェックアウトする
- ブランチをマージする
- マージが終わったブランチを削除する
以下のコマンドを使用して、新しいブランチを作成します。
git branch new-branch
git branch
コマンドで新しいブランチを作成できます。
git branch ブランチ名
と指定します。
後ろにブランチ名を指定しない場合は、ブランチの一覧を表示できます。
以下のコマンドを実行して、new-branchが作成されているか確認してみましょう。
git branch
今の段階ではブランチを作成しただけで、切り替わっていません。
ブランチを切り替え=チェックアウトするには、以下のコマンドを使用します。
git checkout new-branch
新しいブランチ上で、ソースに変更を加えてコミットしてみましょう。
コミットについての解説は次の記事を参考にしてください。

new-branchで行った変更をデフォルトのブランチにマージしてみましょう。
まずは、checkout
コマンドを使って、mainブランチに戻ります。
git checkout main
※Gitをインストールしたときの設定によってはデフォルトのブランチがmasterになっていることがあります。
その場合は、下記のコマンドを実行してください。
git checkout master
mergeコマンドを実行して、マージを行います。
git merge new-branch
mainとnew-branchの差分が表示されればマージ成功です!
Fast-forward
first.txt | 1 +
second.txt | 1 +
2 files changed, 2 insertions(+)
create mode 100644 second.txt
マージし終わったブランチは不要であれば削除します。
下記のコマンドを実行してください。
git branch --delete new-branch
--delete
は省略して-d
とすることもできます。
git branch -d new-branch
Gitでブランチを操作するためのコマンドの整理
ここまでで出てきたコマンドを整理します。
コマンド | 意味 |
---|---|
git branch | ローカルリポジトリのブランチ一覧を表示 |
git branch ブランチ名 | ブランチを新規作成する |
git branch –delete(-d) ブランチ名 | ブランチを削除する |
git checkout ブランチ名 | 指定したブランチに切り替え |
git merge ブランチ名 | 指定したブランチの履歴を現在のブランチに統合 |
Gitのブランチを操作してみよう!(Visual Studio Code編)
次に、Visual Studio Codeの画面上でブランチを操作してみましょう。
Visual Studio Codeでgit init
済のフォルダーを開いて操作します。
git init
については詳しくはこちらの記事をご確認ください。

(1) ブランチを切り替える
Visual Studio Codeの下側に、現在のブランチ名が表示されています。
ブランチ名をクリックしてみましょう。


ブランチの切り替え=チェックアウトに関するオプションが表示されます。
「新しい分岐の作成」を押すことで、新しいブランチを作成して切り替えることができます。
※コマンドでも同じ操作が可能です。
コマンドで新しいブランチを作成しつつチェックアウトするには、-b
オプションを使用します。
git checkout -b 新しいブランチ名
(2) ブランチをマージする
ブランチをマージするには、まず、Ctrl+Shift+P
を押してコマンドパレットを立ち上げます。

git merge
と入力すると、Gitでブランチをマージするための項目が表示されます。
Git Lensを使うという手も
Visual Studio Code上で複雑なGitの操作を行おうとすると、コマンドを入力するのとあまり変わらなくなってしまいます。
より複雑な操作をVisual Studio Codeの画面上で行うには、Git Lensという拡張機能をインストールするのがおすすめです。
Git Lensをインストールするには、以下のリンクにアクセスします。
GitLens — Git supercharged – Visual Studio Marketplace

「Install」ボタンをクリックして、Visual Studio Codeに追加してください。